浄水型ウォーターサーバーのデメリット8つ|後悔しないための選び方と対策
「月額定額で水が使い放題」と人気を集めている浄水型ウォーターサーバー。ボトル交換や受け取りの手間がなく、宅配型からの乗り換え先としても注目されています。
しかし、実際に使ってみると「思っていたのと違った」という声があるのも事実です。
この記事では、浄水型ウォーターサーバーのデメリットを8つに整理して正直に解説します。あわせて、それぞれのデメリットへの対策と、契約前に確認しておきたい5つのチェックポイントも紹介します。
「契約してから後悔したくない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
CONTENTS
浄水型ウォーターサーバーとは?宅配型との違いをおさらい
浄水型ウォーターサーバーは、水道水を内蔵フィルター(カートリッジ)でろ過して、冷水や温水として使えるようにするウォーターサーバーです。
大きく分けて、タンクに水道水を注いで使う「補充型(給水型)」と、水道管から直接つないで自動給水する「水道直結型」の2種類があります。2つのタイプの違いは浄水型ウォーターサーバー2つのタイプを徹底比較で詳しく解説しています。
宅配型(ボトル配送型)との一番の違いは、水の調達方法です。
- 浄水型:水道水を使うため、月額定額でどれだけ使っても料金が変わらないプランが主流
- 宅配型:天然水やRO水のボトルが自宅に届く。使った分だけボトル代がかかる

ボトルの受け取りや保管が不要な点が浄水型の魅力ですが、その裏返しとして生じる弱点もあります。次の章から順番に見ていきましょう。
浄水型ウォーターサーバーのデメリット8つ

①フィルター交換の手間がかかる

浄水型ウォーターサーバーは、フィルター(カートリッジ)の定期交換が欠かせません。
多くのメーカーでは交換時期に合わせてフィルターが自宅に届き、利用者が自分で交換する仕組みです。作業自体は数分で終わるものがほとんどですが、「交換時期を忘れそう」「地味に面倒」と感じる方もいます。
注意したいのは、交換をさぼるとろ過能力が落ちることです。フィルターには「総ろ過水量」という処理能力の上限があり、それを超えて使い続けると、塩素などの不純物を十分に除去できなくなるおそれがあります。せっかくの浄水型が「ただの水道水」に近づいてしまうわけです。
交換頻度はメーカーによって差が大きく、およそ6ヶ月に1回のものから1年に1回で済むものまであります。交換頻度の少ない機種を選べば、この手間はかなり軽減できます。
②災害時の備蓄水にならない
宅配型のボトルは、未開封のままストックしておけば災害用の備蓄水として使えます。一方、浄水型は水道水をその場でろ過する仕組みのため、断水するとサーバーから新しい水を得ることができません。
「ウォーターサーバーがあれば災害時も安心」というイメージで浄水型を選ぶと、期待と違う結果になります。ここは浄水型の構造上、どうしても避けられない弱点です。
ただし、「浄水型を選んだら災害に備えられない」という意味ではありません。飲料水の備蓄はペットボトルなどで別に確保するのが基本です。具体的な備蓄の目安は、記事後半のQ&Aで解説します。
③天然水は飲めない
浄水型ウォーターサーバーの水は、あくまで「ろ過した水道水」です。
高性能なフィルターを通すことで、残留塩素によるカルキ臭などが取り除かれ、水道水をそのまま飲むよりおいしく感じられるようになります。それでも、「◯◯山系の天然水が飲みたい」「採水地やミネラル成分にこだわりたい」という方の期待には応えられません。
天然水志向の方は宅配型、コストと利便性を重視する方は浄水型、というのが基本的なすみ分けです。自分がどちらを求めているのかを先にはっきりさせておくと、選択を誤りにくくなります。
④補充型は給水の手間、直結型は設置工事が必要

補充型(給水型)は、タンクに水道水を注ぎ足す作業が日常的に発生します。
タンク容量が小さい機種や、家族が多く使用量の多いご家庭では、1日に何度も給水が必要になることもあります。タンクを取り外してシンクまで運べるか、容量が家族の使用量に見合っているかは、事前に確認したいポイントです。
一方、水道直結型には給水の手間がありませんが、設置時に水道管からの分岐工事が必要です。初期費用がかかるほか、賃貸住宅では退去時の原状回復の問題もあるため、設置前に管理会社への確認が必要になるケースがあります。
どちらのタイプにも一長一短があるので、「給水の手間を取るか、工事の手間を取るか」で考えると選びやすくなります。
⑤置き場所に制約がある
浄水型に限らずウォーターサーバー全般にいえることですが、設置にはある程度のスペースが必要です。
- 床置き型は幅・奥行きそれぞれ30cm前後+放熱のためのすき間が必要
- 電源が必要なため、コンセントの位置に置き場所が左右される
- 水道直結型は、水栓からの距離に設置場所が制約される
- 補充型は給水のしやすさを考えると、キッチンの近くが現実的
キッチンやリビングの動線上に置けるか、購入前にメジャーで測っておくと失敗がありません。省スペースで置きたい方には卓上型という選択肢もあります。
⑥契約期間と解約金がある
多くのメーカーでは2〜3年程度の最低利用期間が設定されており、期間内に解約すると解約金が発生します。金額や条件はメーカーごとに大きく異なるため、契約前に必ず確認しましょう。
「お試しのつもりで契約したら、解約金が思ったより高かった」というのは、ウォーターサーバー全般でよくある後悔のパターンです。
最近は、無料のお試し期間を設けているメーカーや、解約金のかからないプランを用意しているメーカーもあります。長く使うか自信がない方は、こうした条件のゆるいプランから始めるのも一つの手です。
⑦使用量が少ないと割高になることも
浄水型の定額制は「たくさん使うほど1リットルあたりの単価が下がる」料金体系です。
裏を返せば、一人暮らしで飲む量が少ない場合、1リットルあたりのコストは割高になります。飲用が月に数リットル程度であれば、浄水ポットや蛇口直結型の浄水器のほうが安く済むこともあります。
一方で、料理や炊飯、お茶やコーヒーにも使うようになると使用量は一気に増えるため、「飲み水以外にも使うかどうか」が損益の分かれ目になります。月額料金の相場や他の方式との費用比較は、ウォーターサーバーの料金は月額いくら?相場と費用を抑えるコツで詳しく解説しています。
⑧フィルターの除去性能は機種によって大きく違う
見落とされがちですが、実はもっとも重要なのがこのポイントです。「浄水型」と一口にいっても、フィルターが除去できる物質の種類と数は機種によって大きく異なります。
- 除去できる物質数は、十数種類の機種から50種類に対応する機種まで幅がある
- 近年注目されるPFAS(有機フッ素化合物)への対応をうたう機種と、そうでない機種がある
- そもそも除去物質数を公開していないメーカーもある
PFASは自然界で分解されにくく「永遠の化学物質」とも呼ばれる物質群で、2026年4月からは水道水中のPFOS・PFOA(PFASの代表的な物質)について、法的拘束力のある水質基準(合算で50ng/L以下)の運用が始まりました(出典:環境省「有機フッ素化合物(PFAS)について」)。制度改正の背景と内容は2026年4月スタート!PFAS水質基準の義務化とはで詳しく解説しています。
水の安全性への関心が高まるなか、「どこまで除去できるフィルターなのか」はサーバー選びの重要な判断材料です。カタログの月額料金だけで選んでしまうと、この性能差に気づかないまま契約することになりかねません。
それでも浄水型が選ばれる理由(メリット5つ)
ここまでデメリットを8つ挙げましたが、浄水型ウォーターサーバーの利用者は増え続けています。理由はシンプルで、多くの家庭にとってデメリットを上回る利便性があるからです。
- 定額で使い放題:料金を気にせず、飲み水だけでなく料理や炊飯、コーヒーにも惜しみなく使える
- ボトル交換が不要:重いボトルを持ち上げて付け替える作業から解放される
- ボトルの受け取り・保管が不要:再配達の手配も、ストックの置き場所も要らない
- ゴミと注文ノルマがない:空きボトルの処分や「ノルマ分を消費しきれない」というストレスがない
- 高性能フィルター搭載機の登場:PFASを含む幅広い物質の除去に対応する機種も選べるようになった
とくに、家族が多く水の使用量が多いご家庭ほど定額制の恩恵は大きくなります。デメリットの多くは「機種選び」と「ちょっとした工夫」でカバーできるため、次の章のチェックポイントを押さえて選ぶことが大切です。
後悔しないための選び方 5つのチェックポイント

(1) フィルターの除去物質数とPFAS対応を確認する
まず確認したいのは、フィルターの除去性能です。
- 何種類の物質を除去できるか(除去物質数)
- 除去率とその根拠(試験データ)が公開されているか
- PFAS(PFOS・PFOA)の除去に対応しているか
性能の高いフィルターほど、水道水に含まれうる不純物を幅広くカバーできます。除去物質数が非公開のメーカーは比較のしようがないため、公開しているメーカーから選ぶのが無難です。具体的な確認手順はPFAS除去できる浄水器の選び方完全ガイドで解説しています。
(2) フィルターの交換頻度と費用を確認する
交換周期は6ヶ月〜1年と機種によって差があります。交換頻度が少ないほど手間は減り、交換忘れのリスクも下がります。
また、交換フィルターの代金が月額料金に含まれているかも要チェックです。「月額は安いがフィルター代が別料金」というケースでは、実質負担が想定より高くなります。
(3) 月額料金+電気代のトータルコストで比べる
ウォーターサーバーは24時間稼働する家電なので、電気代がかかります。
表示上の月額料金だけでなく、電気代を含めた毎月の実質負担で比較しましょう。エコモード(省エネモード)搭載機なら、電気代を月数百円程度に抑えられる機種もあります。
(4) 契約期間と解約金を確認する
最低利用期間の長さ、期間内に解約した場合の解約金、お試し期間の有無を契約前に確認しましょう。ライフスタイルが変わる可能性がある方(引っ越し予定がある方など)は、契約の縛りがゆるいプランを選んでおくと安心です。
(5) 設置場所と給水方式を決めてから機種を絞る

「どこに置くか」「補充型と直結型のどちらにするか」を先に決めると、候補は自然に絞られます。
設置予定の場所の幅・奥行き・高さを測り、コンセントと水栓の位置を確認したうえでカタログを見ると、「置けなかった」「工事できなかった」という失敗を防げます。
浄水型ウォーターサーバーのよくある疑問Q&A
Q1. 災害への備えはどうすればいい?

浄水型を使う場合、飲料水の備蓄はペットボトルで別途確保しましょう。
政府の防災指針では、飲料水は1人1日3リットル×最低3日分を備蓄することが推奨されています(出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」)。4人家族なら36リットルが目安です。
普段からペットボトルの水を多めに買い置きし、古いものから消費して買い足す「ローリングストック」なら、無理なく備蓄を続けられます。日常の飲み水は浄水型サーバー、非常用はローリングストック、と役割を分けるのが現実的な備え方です。
Q2. 断水・停電のときは使える?
断水時は、新しい水の給水ができません。補充型はタンク内に残っている水を使える場合がありますが、取り扱いはメーカーの案内に従ってください。
停電時は、電気で冷水・温水を作っているため、冷温水の機能は使えなくなります。機種によっては常温水のみ出せるものもあります。復旧後の使い始めの手順(捨て水など)がメーカーごとに定められていることが多いので、説明書を確認しておきましょう。
Q3. 赤ちゃんのミルクに使える?
除去性能のしっかりした機種を選び、メーカーが案内する使い方を守れば、ミルク作りにも活用できます。温水がすぐに使えるため調乳の時短になる点は、むしろ浄水型の強みです。
水道水でミルクを作る際の注意点やお湯の温度については、赤ちゃんのミルクに水道水は使える?安全な作り方と注意点を解説で詳しく解説しています。
まとめ:デメリットを理解すれば浄水型は失敗しにくい
浄水型ウォーターサーバーのデメリットは、大きく分けると「手間(フィルター交換・給水)」「災害時に頼れない」「天然水ではない」「契約の縛り」「機種による性能差」の5つに集約されます。
いずれも、契約前に知っていれば対策できるものばかりです。
- フィルター交換頻度の少ない機種を選ぶ
- 災害用の水はローリングストックで別に備える
- 除去物質数・PFAS対応・トータルコスト・契約条件を契約前に確認する
この記事のチェックポイントを押さえて比較すれば、「こんなはずでは」という後悔はほとんど防げます。機種ごとの除去物質数やフィルター交換頻度、月額料金は当サイトの人気ランキングでも比較しているので、あわせて参考にしてください。
出典・参考資料
- 環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」
- 環境省「有機フッ素化合物(PFAS)について」
- 首相官邸「災害が起きる前にできること」




