ウォーターサーバーに水道水を入れても大丈夫?浄水型の仕組みと注意点
「ウォーターサーバーに水道水を入れれば、水代が浮くのでは?」と考えたことはないでしょうか。
結論からお伝えすると、宅配型(ボトル配送タイプ)のサーバーに水道水を入れる使い方は想定されておらず、避けるべきです。一方で、はじめから水道水を使うことを前提に設計された「浄水型」であれば、水道水を注いで使うのが正しい使い方になります。
この記事では、タイプ別に水道水が使えるかどうかを整理したうえで、浄水型で水道水を使うときの注意点、そして水道水そのものの安全性の考え方まで解説します。
CONTENTS
結論:タイプによって答えが変わる
ウォーターサーバーは、大きく2つのタイプに分かれます。

- 宅配型:専用ボトルの水を使う。水道水を入れるのはNG
- 浄水型:水道水をフィルターでろ過して使う。水道水を入れるのが前提
「水道水を使いたい」という目的なら、選ぶべきは浄水型です。2つのタイプの違いは浄水型ウォーターサーバー2つのタイプを徹底比較で詳しく解説しています。
宅配型に水道水を入れてはいけない3つの理由
1. 構造が水道水を想定していない
宅配型のサーバーは、密閉された専用ボトルの水を使うことを前提に設計されています。ボトルの差込口に自分で水を注ぐような使い方は想定されておらず、空きボトルに水道水を詰め替える行為も推奨されていません。
専用ボトルは繰り返し使う前提のものでも、メーカーが洗浄・殺菌の工程を経て再利用しています。家庭で洗って詰め替えることは、その工程を飛ばすことになります。
2. 残留塩素が抜けてしまう
日本の水道水には、蛇口の時点で一定濃度以上の残留塩素を保つことが水道法で定められています。これは配水の過程で水質を保つための仕組みです。
ところが、いったん容器に移して時間が経つと、この塩素は徐々に抜けていきます。塩素が抜けた水を常温のタンクに長時間ためておく使い方は、衛生面で望ましくありません。
3. 故障や保証対象外につながる
メーカーが想定していない使い方をした結果として不具合が起きた場合、無償修理や交換の対象外となるのが一般的です。レンタル機器であれば、修理費用を請求されることもあります。
節約のつもりが、かえって高くつくおそれがあるということです。
水道水を使えるのは「浄水型」
浄水型ウォーターサーバーは、水道水を内蔵フィルターでろ過して、冷水・温水として使えるようにする機器です。水を購入しないため、料金は月額定額制が主流になっています。
補充型(給水型)
本体上部などのタンクに、自分で水道水を注いで使うタイプです。工事が不要で、コンセントがあれば置きたい場所に設置できます。
その代わり、水がなくなったら補充する手間がかかります。1日にたくさん使う家庭では、補充の回数が気になることもあるでしょう。
水道直結型
水道管から直接分岐させて給水するタイプです。補充の手間がなく、使いたいときに水が出ます。ただし、初期の取り付け工事が必要で、設置場所は水道管の近くに限られます。
浄水型で水道水を使うときの4つの注意点

1. くみ置きの水は使わない
あらかじめ容器にためておいた水ではなく、そのつど蛇口から出した水を入れるのが基本です。前述のとおり、時間が経った水は残留塩素が抜けています。
2. 井戸水・地下水・浄水器を通した水は入れない
浄水型が想定しているのは、水道法の基準で管理された水道水です。井戸水や地下水は水質が一定とは限らず、多くのメーカーで使用不可とされています。
また、すでに別の浄水器を通した水を入れるのも避けましょう。塩素が除去された水をタンクにためることになるためです。
3. お湯や氷を入れない
給水タンクにお湯を入れると、フィルターを傷める可能性があります。冷たい水を早く飲みたいからと氷を入れるのも、故障の原因になるため避けてください。
4. タンクの水は使い切ってから補充する
継ぎ足しを繰り返すと、古い水がタンクの底に残り続けることになります。できるだけ使い切ってから新しい水を入れる、というサイクルが理想です。
日常のお手入れ方法はウォーターサーバーの掃除・お手入れ完全ガイドで解説しています。
そもそも水道水はそのまま飲んで大丈夫?

水質基準で管理されている
日本の水道水は、水道法に基づく水質基準項目によって管理されており、基準に適合した水が各家庭に届けられています。基準項目と基準値は厚生労働省の資料で公開されています。
水道水の安全性については日本の水道水は本当に安全?でも詳しく解説しています。
においや味が気になるケース
基準に適合していても、塩素のにおいやカルキ臭が気になるという声はあります。また、建物の受水槽や給水管の状態によって、味わいが変わることもあります。
浄水型サーバーが選ばれている理由のひとつが、この「におい・味」の部分です。フィルターで残留塩素などを低減することで、飲み口が変わったと感じる方が多いようです。
PFASをめぐる動き
近年は、有機フッ素化合物(PFAS)に関する関心が高まっています。国内では水質基準等の見直しが進められており、環境省が情報を公開しています。
詳しくは2026年4月スタート!PFAS水質基準の義務化とはをご覧ください。
水道水を使うタイプを選ぶときのチェックポイント
- フィルターの除去対象:何をどの程度低減できるか、公表されている試験結果を確認する
- カートリッジの交換頻度と費用:月額に含まれるか、別途かかるか
- 総ろ過水量:交換時期の目安になる数値
- タンク容量と補充のしやすさ:補充型の場合は毎日の手間に直結する
- 設置スペース:直結型は水道管との距離も条件になる
除去性能は機種によって差があります。「浄水型だから安心」と一括りにせず、公表されているデータを比べることが大切です。
よくある質問
ミネラルウォーターを浄水型に入れてもいいですか?
推奨されていません。浄水型は水道水を通すことを前提に設計されています。ミネラル成分が多い水はフィルターの目詰まりにつながる可能性があります。
浄水型なら赤ちゃんのミルクに使えますか?
各メーカーの案内に従ってください。調乳に使う水と温度については赤ちゃんのミルクに水道水は使える?で解説しています。
水道水を入れる手間はどれくらいですか?
補充型でタンク容量が3〜4Lの機種なら、4人家族で1日1〜2回程度の補充が目安です。手間が気になるなら、直結型や大容量タンクの機種を検討しましょう。
地域によって水道水の味は違いますか?
水源や浄水処理の方法によって、味やにおいの感じ方に違いが出ることがあります。各自治体の水道局が水質検査結果を公表しています。
まとめ
- 宅配型のサーバーに水道水を入れるのは避ける(構造・衛生・保証の面で問題がある)
- 水道水を使いたいなら、はじめから浄水型を選ぶ
- 浄水型でも、くみ置きの水・井戸水・お湯は入れない
- タンクの水は使い切ってから補充する
- フィルターの除去対象と交換費用は、機種ごとに必ず比較する
「水代を浮かせたい」という動機であれば、無理な使い方をするのではなく、定額制の浄水型に切り替えるほうが安全で確実です。
出典・参考資料
- 厚生労働省「水質基準について」
- 環境省「PFASに関する情報」




