災害・断水にどう備える?水の備蓄量の目安とローリングストック実践ガイド
毎年9月1日は「防災の日」。地震や台風、大規模な断水など、水が使えなくなる事態は誰にでも起こりえます。
そして災害への備えのなかで、真っ先に確保すべきなのが「水」です。人は食料がなくても数日は耐えられますが、水がないと生命に関わります。
この記事では、家庭で備えておきたい水の量の目安と、無理なく続けられる備蓄方法「ローリングストック」のやり方をわかりやすく解説します。ウォーターサーバーを使っている・検討中のご家庭向けに、サーバーと備蓄の役割分担についても整理しました。
CONTENTS
災害時、水はどれくらい必要?備蓄量の目安
飲料水は「1人1日3リットル×最低3日分」

政府の防災指針では、飲料水(調理用を含む)として1人1日3リットル×最低3日分の備蓄が推奨されています。さらに、大規模災害ではライフラインの復旧に時間がかかることから、できれば1週間分の備えが望ましいとされています(出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」・農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」)。
家族の人数別に計算すると、次のようになります。
- 1人暮らし:3日分で9リットル(できれば21リットル)
- 2人家族:3日分で18リットル(できれば42リットル)
- 4人家族:3日分で36リットル(できれば84リットル)
2リットルのペットボトルに換算すると、4人家族の3日分で18本。「意外と多い」と感じるのではないでしょうか。だからこそ、後述するローリングストックのような「続けられる仕組み」が大切になります。
飲料水とは別に「生活用水」も必要
上記の3リットルはあくまで飲む・調理する用の水です。断水するとトイレ・手洗い・洗い物などに使う生活用水も止まります。
生活用水は、お風呂の残り湯をすぐに流さず溜めておく、ポリタンクに水道水を入れておくなどの方法で確保します。飲料水とは分けて考えるのがポイントです。
無理なく続く備蓄方法「ローリングストック」

「備蓄しなきゃとは思うけれど、気づいたら賞味期限が切れていた」——これは水の備蓄でいちばん多い失敗です。そこでおすすめなのが、農林水産省の食品ストックガイドでも紹介されている「ローリングストック」という方法です。
ローリングストックのやり方は3ステップ

- 多めに買う:普段飲むペットボトルの水を、必要量より少し多めに買い置きする
- 古いものから使う:日常の中で、賞味期限の近いものから普通に消費する
- 使った分を買い足す:減ったら買い足して、常に一定量をキープする
特別なことは何もなく、「日常の買い物のサイクルに備蓄を組み込む」だけです。備蓄品を特別扱いしないので賞味期限切れが起こりにくく、いざというときも飲み慣れた水が手元にあります。
長期保存水という選択肢もある
ミネラルウォーターの賞味期限は通常2年程度ですが、備蓄用の「保存水」は5〜10年と長持ちします(出典:農林水産省)。頻繁に入れ替えるのが面倒な場合は、保存水をベースにしつつ、日常用はローリングストックで回す組み合わせも有効です。
なお、ペットボトルの水は直射日光を避け、温度変化の少ない場所に保管しましょう。においの強いもの(灯油・洗剤など)の近くは避けるのが基本です。
断水したらどうする?知っておきたい基礎知識
水道水のくみ置きは「3日程度」が目安

断水が予告されている場合(台風接近時など)は、水道水のくみ置きが有効です。
水道水は塩素による消毒効果があるため、清潔なフタ付き容器に口もとまでいっぱいに入れ、直射日光を避けて室温の低い場所で保存すれば、3日程度は飲料水として使えるとされています(出典:農林水産省)。空気に触れる量を減らすため「口もとまでいっぱいに入れる」のがコツです。
給水拠点の場所を確認しておく
断水が長引く場合、自治体の給水車や給水拠点から水を受け取ることになります。お住まいの自治体のホームページで、最寄りの給水拠点をあらかじめ確認しておきましょう。水を運ぶための折りたたみウォータータンクや給水袋を用意しておくと、いざというときに役立ちます。
ウォーターサーバーは災害時に役立つ?
ウォーターサーバーのある家庭では、「サーバーがあるから備えは大丈夫」と考えがちですが、タイプによって事情が異なります。
浄水型ウォーターサーバーは「備蓄」にはならない
浄水型ウォーターサーバーは水道水をその場でろ過する仕組みのため、断水するとサーバーから新しい水を得ることができません。停電時も冷水・温水の機能は止まります。
つまり、浄水型を使っている場合、災害用の飲料水はペットボトルなどで別に備蓄しておく必要があります。この点は浄水型ウォーターサーバーのデメリット8つでも詳しく解説しています。
宅配型のボトルは備蓄を兼ねられる
一方、宅配型ウォーターサーバーの未開封ボトルは、そのまま備蓄水として使えます。ただし停電するとサーバーからの冷温水は使えなくなるため、常温で取り出す方法(多くの機種で可能)を確認しておきましょう。
現実的な結論:役割分担で考える
- 日常の飲み水:ウォーターサーバー(浄水型でも宅配型でも)
- 非常時の飲料水:ペットボトルのローリングストック
- 生活用水:風呂の残り湯・ポリタンク
「日常はサーバー、備えはローリングストック」と役割を分けておけば、浄水型ウォーターサーバーの弱点は十分カバーできます。むしろ浄水型は普段のボトル置き場が不要なぶん、備蓄水の保管スペースを確保しやすいという見方もできます。
今日からできる水の備えチェックリスト

- 必要量を計算する:家族の人数×3リットル×3日分(できれば7日分)
- ローリングストックを始める:いつもの買い物で水を1ケース多めに
- 生活用水の確保方法を決める:風呂の残り湯・ポリタンクの置き場所
- 給水拠点を調べる:自治体HPで最寄りの拠点とウォータータンクの準備
- 年2回見直す:防災の日(9月1日)と春の年2回、量と期限をチェック
水の備蓄Q&A
Q1. 賞味期限が切れたペットボトルの水は捨てるしかない?
飲用には表示された賞味期限内での消費が基本ですが、期限が過ぎたものも手洗いや掃除などの生活用水として活用できます。捨てる前に使い道を考えてみましょう。期限切れを防ぐには、やはりローリングストックで日常的に回すのが確実です。
Q2. 赤ちゃんがいる家庭はどう備えればいい?
ミルク作りには軟水が適しているため、硬度の低い水を多めに備蓄しておくと安心です。液体ミルクを備蓄に加えるのも有効です。ミルクと水の関係については赤ちゃんのミルクに水道水は使える?で詳しく解説しています。
Q3. 備蓄水の置き場所がない場合は?
1ヶ所にまとめず、キッチン・クローゼット・車の中など分散して保管する方法があります。分散しておくと、家屋の一部が被害を受けた場合にも取り出せる可能性が高まります。
まとめ:水の備えは「量の把握」と「続く仕組み」で
- 飲料水は1人1日3リットル×最低3日分、できれば1週間分(4人家族なら36〜84リットル)
- 生活用水は飲料水とは別に確保する
- 備蓄はローリングストックで日常の買い物に組み込むと続く
- 水道水のくみ置きは清潔な容器で3日程度が目安
- 浄水型ウォーターサーバーは断水時に使えないため、備蓄は必ず別に用意する
防災の日をきっかけに、まずはご家庭の必要量の計算から始めてみてください。ウォーターサーバーとの上手な付き合い方は、当サイトの人気ランキングや関連記事もあわせて参考にしていただければと思います。
出典・参考資料
- 首相官邸「災害が起きる前にできること」
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」




